縄文の神聖幾何学

「ホツマツタヱ」「ミカサフミ」「フトマニ」に秘められた神聖幾何学の叡智を探る。

フトマニ図とマカバ

1. マカバ
 マカバは星型二重正四面体とも呼ばれ、二つの正四面体を上下に重ね合わせた形をしています。

 

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 ドランヴァロは著書『フラワー・オブ・ライフ第2巻』でマカバをつぎのように説明しています。

 古代エジプトの神秘学派では、ここで取り上げきれないほど多様な人間体験について研究していました。そのなかでも特に中心となった教えは、マカバでした。マカバ、すなわち人の光の体(ライトボディ)こそすべてだったのです。

 「マカバ」はいくつもの言語で同じ意味に使われています。ズールー語では英語のように発音され、ズールー族の霊的指導者であるクレド・ムトウは、彼らの種族は宇宙から「マカバ」に乗って地球にやってきたと語っています。またヘブライ語では「マカヴァ(Mer‐Ka‐vah)」といい、「神威」、ならびに人の肉体とスピリットを別の場所へ運ぶ乗り物としての「馬車」という二重の意味があります。

 古代エジプト語において「マカバ(Mer‐Ka‐Ba)」という言葉は、実際は3つの言葉でした。「マー(Mer)」は特別な種類の光、すなわち二重反転の光のエネルギー・フィールドを意味し、「カー(Ka)」はスピリット(少なくともここ地球では人間のスピリットという含みがありました)を意味し、そして「バー(Ba)」は「現実の解釈」を指し、ここ地球では普通は肉体を意味しました。その3語を合せると、マカバの意味は「スピリットと肉体のあいだに相互作用をもたらし、ある世界から別の世界へと変換させる二重反転の光のエネルギー・フィールド」になるというのが私の解釈で、マカバは実際それ以上のものです。マカバはそれ自体、創造の雛形で、ありとあらゆる存在がそこから生まれているのです。

 マカバは、じつは3つの同じ形をしたマカバがぴったり重なっていて、それが活性化すると、1つは固定されているのですが、もう1つは右回転、もう1つは左回転するのだそうです。

 

2. フトマニ

 話は変わりますが、フトマニ図の内側の輪には、「トホカミヱヒタメ」の8文字が配されています。下図を見て、ト→ホ→カ→ミ→ヱ→ヒ→タ→メと1文字ずつ順番に目で追っていくと分かるのですが、じつはその8文字は左回りに渦を巻くように配されています。

 つぎに、真ん中の輪の「アイフヘモヲスシ」の8文字ですが、これも1文字ずつ順番に目で追っていくと、先ほどとは逆の右回りに配されていることが分かります。

 

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 『フトマニ図とメタトロンキューブ』の記事で、フトマニ図とメタトロンキューブは同じものであると書きました。メタトロンキューブの中には、5つのプラトン立体がすべて含まれています。そして、ドランヴァロは『フラワー・オブ・ライフ第2巻』の中でつぎのように書いています。

 星型二重正四面体だけでなく、人の光の体(ライトボディ)を構成する幾何学形すべてに言えることですが、見た目は1つでも、そこには別々に3つの等しい多面体的あるいは幾何学的な形が重なり合って存在しているのです。
 星型二重正四面体も3つでセットになっていました。そしてそのうちの1つは固定されており、もう1つは右回転、もう1つは左回転するのでしたね。このことは、体のまわりに形づくられるどんな幾何学形についても同様に真実なのです。

 フトマニ図の内側の輪の左回転、真ん中の輪の右回転はこのことを示しているのではないでしょうか。

 この話を妻にしたところ、「だったら、マカバの8つのポイント(角)はトホカミヱヒタメ、アイフヘモヲスシの各8文字を表しているのでは?」と指摘されて気がつきました。まさに、そうです。メタトロンキューブには大小2つのマカバが含まれています。内側のマカバの8つのポイントが「トホカミヱヒタメ」、外側のマカバの8つのポイントが「アイフヘモヲスシ」にあたります。

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3. フトマニ128首

 ところで、『フトマニ』は序文、フトマニ図、本文の3部構成になっていて、本文には128首のワカ(和歌)が載せられています。これらのワカはあるルールに従って作られています。

 フトマニ図でミソフカミ(三十二神)と呼ばれる外側の2重の輪は、「ヤマ・ハラ・キニ・チリ・ヌウ・ムク・エテ・ネセ・コケ・オレ・ヨロ・ソノ・ユン・ツル・ヰサ・ナワ」というように、2文字で1組になっていて、全部で16組あります。

 フトマニのワカというのは、真ん中の輪の「ア・イ・フ・ヘ・モ・ヲ・ス・シ」の中から1文字、それに外側の輪の中から1組2文字を選んで組み合わせた言葉をテーマとして詠まれているのです。

 例えば「ア」と「ヤマ」を組み合わせて、「ヤマノ ナカウツロヰガ アワノスナ コホシノヱナノ ムネゾアミケル」。「ア」と「ハラ」を組み合わせて、「ハラハ カミノアツマル ヒトノハラ シツクニワザノ ミチゾウミケル」といった具体です。

 このように、8文字×16組の掛け合わせにより全部で128首というわけです。

 マカバの話に戻りますが、ドランヴァロは、マカバの8つのポイント(角)は易経や人間のDNAの基盤になっていると言います。(「アセンション〜マカバに関するQ&A」参考)

 易経には、八卦を2つずつ組み合わせることにより全部で64通りの卦があります。

 また、DNAには「A」「T」「C」「G」の4種類の塩基がありますが、そのうち3つの並びがひとかたまりで、1種類のアミノ酸を意味するそうです。これをコドンといい、全部で4×4×4=64種類のコドンが存在します。

 フトマニには、8、16、32、48、128といった8の倍数が散りばめられています。もしかすると128首というワカの数(64の倍)にも、もっと深い意味が秘められているのかもしれません。

 

<追記2021.5.16>

 上記で、星型二重正四面体は3つセットになっていて、そのうちの1つは固定されており、もう1つは右回転、もう1つは左回転すると書きました。ドランヴァロによると、左右の回転比率には違いがあり、左に34回転する間に、右に21回転するそうです。

 この左右の回転数は、じつは「フィボナッチ数」になっています。フィボナッチ数は1,2,3,5,8,13,21,34…というように、2つの隣り合う数を足し合わせて、次の数になるという法則性があります。1と2を足すと3になり、2と3を足すと5になり、3と5を足すと8になり、といった具合です。

 フィボナッチ数は大自然の生成発展と深く関係していて、例えば、ひまわりの種の並び方は左回りに21列、右回りに34列ですし、松ぼっくりは左回りに8列、右回りに13列です。

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掲載元:「日比谷高校のススメ」さんのブログ

 そして、なんとフトマニ図もまたフィボナッチ数になっていることに気がつきました。上記で、「トホカミヱヒタメ」の8文字は左回りに渦を巻くように配されていると書きましたが、それは「左回りに3つずつ」進んで読む場合のことです。一方、見方を変えて「右回りに5つずつ」進んで「トホカミヱヒタメ」と読むこともできます。

 私は、フトマニ図は無から有を創造するしくみを表していると確信しているですが、今回の気づきによって、ますますその確信を深めました。フトマニ図はほんと、底が見えないくらい深いです。

 

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フトマニ図とフィボナッチ数

文責:与左衛門、共同研究者:角大師

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