縄文の神聖幾何学

「ホツマツタヱ」「ミカサフミ」「フトマニ」に秘められた神聖幾何学の叡智を探る。

フトマニ図とメタトロンキューブ

1. メタトロンキューブ

 神聖幾何学の中で「フルーツ・オブ・ライフ(生命の果実)」と呼ばれるかたちがあります。それは13個の円から成っていて、下図のように雪の結晶のように並んだかたちをしています。

 

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 そして、すべての円の中心を直線で結ぶと以下のようになります。これは「メタトロンキューブ」と呼ばれ、その中には5つのプラトン立体がすべて含まれています。

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掲載元:Wikipedia

 『フラワー・オブ・ライフ』の著者ドランヴァロは、フルーツ・オブ・ライフのことを「存在する神聖形状のなかでも最高に神聖なものです。なぜこれが果実なのかと言えば、このパターンが細かく織り込まれた結果、この「現実」という果実になったからです。」と言っています。
 フルーツ・オブ・ライフに細かく織り込まれたメタトロンキューブから、5つのプラトン立体を切り出すことができます。プラトン立体は「現実」を創造するプロトタイプ的なかたちであり、例えば生物の細胞分裂や鉱物の結晶にもそのかたちが見られます。

 

2. フトマニ

 さて、話は変わって、ホツマツタヱと同様の文字ヲシテで書かれた『フトマニ』という古文献があります。『フトマニ』は序文、フトマニ図、そして128首のワカ(和歌)の3部構成となっています。フトマニ図は、正しくは「モトアケ」というのですが、一般的にフトマニ図として知られていますので、このブログでもそのように記載します。

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 フトマニ図には、中心の円にヲシテの3つの特殊文字が、また、そのまわりを囲む4重の輪には48の基本文字が描かれていて、縄文人の宇宙観を表しています。以下は、ヲシテ研究の第一人者、池田満著『よみがえる縄文時代 イサナギ・イサナミのこころ』を参考に、私の解釈を交えたものです。

 中心の円に書かれた3つの特殊文字は、上から順に「アウワ」と読み、宇宙の中心を表しています。

 いちばん内側の輪には、「トホカミヱヒタメ」の8文字が配されています。「トホカミヱヒタメ」は、最初の指導者クニトコタチの8人の皇子の名前(トノミコト、ホノミコト等)ですが、それぞれの文字は方角や季節も表しています。さらには、中心の円を含めて、宇宙・銀河・天空、そして目に見えない世界を表します。

 真ん中の輪には、「アイフヘモヲスシ」の8文字が配されています。「アイフヘモヲスシ」は、「カハナマ、キヒニミウク、ヌムエケ・・・(以下省略)」で始まるアワウタの各音節の頭文字を表しています。アワウタは、いろは歌のように、ヲシテ48文字をすべて1度ずつ用いてつくられた五七調の歌で、ご存知の方も多いと思います。つまり、「アイフヘモヲスシ」はヲシテ48文字の象徴であり、また、ヲシテ1文字1文字がもつ言霊の働きを表しています。

 外側の2重の輪に書かれた32文字は、「ミソフカミ(三十二神)」と呼ばれています。人の姿かたちなど、目に見える物質を表しています。アイフヘモヲスシの言霊の働きで、無から有が生まれ、思考が現実化した世界を表しています。

 

3. フトマニ図とメタトロンキューブ

 「ヲシテとプラトン立体」の記事で、プラトン立体を文字にしたものがヲシテであるといったことを書きました。そうであるなら、ヲシテ48文字を配したフトマニは、5つのプラトン立体をすべて含むメタトロンキューブと同じものである、といってよいのではないでしょうか。

 メタトロンキューブは平面的な図形ではなく、「キューブ」とあるように、じつは立体的なものです。以下の図を見て、2重の立方体のかたちをしているのが分かるでしょうか。

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掲載元:Wikipedia

 内側の立方体の頂点に位置する8つの球が「トホカミヱヒタメ」、また、外側の立方体の頂点に位置する8つの球が「アイフヘモヲスシ」にあたります。

 そして、無から「現実」が創造されるしくみを表したものがメタトロンキューブであり、フトマニであるといえます。

 

文責:与左衛門、協力:角大師

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