1.循環するアワ歌
アカハナマ イキヒニミウク
フヌムエケ ヘネメオコホノ
モトロソヨ ヲテレセヱツル
スユンチリ シヰタラサヤワ
これは「アワ歌」と呼ばれるもので、いろは歌のように、ヲシテ48文字をすべて1度ずつ用いてつくられています。以前のブログ記事に、アワ歌は球体のかたちを成して回転・循環している、ということを書きましたが、今回はそれを補強する記事となります。
2.五七調と白銀比
冒頭に掲載したように、アワ歌は5音と7音を交互に繰りかえす五七調の歌です。この5音と7音を比率で表すと「1:1.4」。これは「白銀比」として知られる比率とほぼ同じです。
白銀比は、下図のように正方形の一辺の長さと対角線の長さの比率のことで、それは「1:√2(≒1.414)」と表されます。白銀比の身近な例としては、「A版」や「B版」の用紙サイズがそうです。例えば、新聞紙1ページ分の大きさがA2版です。それを半分に折り畳んだ大きさがA3版。さらにそれを半分に折り畳んだ大きさがA4版。さらにそれを半分に折り畳んだ大きさがA5版。
ここから分かるように、白銀比の長方形というのは半分に折り畳むことを何回繰り返しても、常に白銀比であることが特徴です。つまり、白銀比はフラクタル構造を生みだす比率だといえます。
ちなみに、白銀比は別名「大和比」ともいわれ、日本最古の木造建築である法隆寺や日本一の高さを誇るスカイツリー等、古今東西のさまざまなものに使われています。
3.フトマニ図の八芒星
ところで、フトマニ図の真ん中の輪には「アイフヘモヲスシ」の8文字が書かれています。「アイフヘモヲスシ」というのは、「アカハナマ イキヒニミウク フヌムエケ ヘネメオコホノ モトロソヨ ヲテレセヱツル スユンチリ シヰタラサヤワ」のアワ歌の各音節の頭文字であり、つまり、アワ歌48音を表しています。
この「アイフヘモヲスシ」を、ア→イ→フ→ヘ→モ→ヲ→ス→シと1文字ずつ順番に線で結んでいくと、なんと八芒星が浮かび上がります。
そして、八芒星というのは、白銀比で埋め尽くされている形なのです。
4.8ビートと黄金比
私たちは五七調のアワ歌を歌うとき、意識せずとも自然に8ビート(4分の4拍子の時に8分音符を基本としたビート)のリズムを刻んでいます。これはフトマニ図の「アイフヘモヲスシ」の八芒星に符合します。アワ歌は八芒星のリズムだということもできます。
先ほど、アワ歌の5音と7音の比率は白銀比とほぼ同じだと述べましたが、拍数で考えると、そこには「黄金比」が見られます。
黄金比は、左下図のような方法で描いた長方形の縦横の比率のことで、それは「1:1.618」と表されます。右下図のように、黄金比の長方形から正方形を切り取った後に残った形もまた黄金比の長方形となり、それを何回繰り返しても、常に黄金比であることが特徴です。つまり、白銀比と同じように、黄金比もまたフラクタル構造を生みだす比率だといえます。また、それだけではなく、黄金比はスパイラル構造を生みだす比率でもあります。
フラクタルとスパイラルは、宇宙や自然界に見られる普遍的な生成発展の構造です。そのフラクタルとスパイラルを生みだす元となる大いなる神の比率が黄金比なのです。
ただ、正確に言えば、大自然は「1:1.618」という数を理解できません。木の枝が葉っぱをつけるとき、葉っぱの数が1.618枚ということはあり得ませんよね。必ず1枚、2枚といった整数になります。そのため、大自然は黄金比に極めてよく似た整数をつかって、フラクタルとスパイラルを生み出しています。それは、その大自然の法則を発見した人の名を冠して「フィボナッチ数列」と呼ばれています。
以下は、アワ歌の歌い出しの「アカハナマ‐‐‐」の拍を図示したものです。3・5・8の泊数はいずれもフィボナッチ数列で、黄金比とほぼ同じ比率が見られます。
以上、説明が小難しくなってしまいました。要するに、アワ歌というものは白銀比のことばを黄金比のリズムで歌うものであり、宇宙や自然界に見られる普遍的な生成発展のしくみであるフラクタルとスパイラルの構造を持っている、というのが私の考えです。
私の稚拙な文章のため、お伝えしたいことをうまく説明できていません。あわせて以下の2本の動画をご覧いただけると幸いです。フィボナッチ数列の重要性を分かりやすくイメージで伝えてくれるお勧めの動画です。
文責:与左衛門、協力:角大師
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