縄文の神聖幾何学

「ホツマツタヱ」「ミカサフミ」「フトマニ」に秘められた神聖幾何学の叡智を探る。

「大和」の本当の意味とトノヲシテ(その2)

1.トノヲシテとアワ歌

 前回の記事でご紹介したように、初代アマカミ(天皇)のクニトコタチは「トノヲシテ」(トの教え)を建国の理念としました。すなわち、空に向かって両手を広げ、父なる太陽の恵みを受け取り、母なる大地とつながって暮らす生き方です。

 後に七代アマカミのイサナギ・イサナミがアワ歌をつくり、民に教え広めました。アワ歌の「ア」は「天」、また、「ワ」は「地」のことですから、つまり、アワ歌とは天地和合の歌だといえます。イサナギ・イサナミは「トノヲシテ」の精神文化を土台としてアワ歌をつくったといってよいでしょう。

 

2.トノヲシテと勾玉

 ホツマツタヱによると、「トノヲシテ」の象徴として形にしたものが三種の神器のひとつ、「ヤサカニノマカルタマ」(または「ヤサカニノマカリタマ」)です。漢字を当てれば「八尺瓊勾玉」です。

 では、なぜ勾玉が「トノヲシテ」の象徴なのでしょうか? 

 私の考えでは、それらを結ぶ鍵は「トーラス」です。「トーラス」とは、銀河、地球、樹木、人、リンゴなど、大自然のいたるところに共通してみられる磁場のかたちで、それは軸を中心に渦を巻いた球体をしています。(参考.アウワとトーラス

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掲載元:thrivemovement.com


 「トノヲシテ」の生き方は、このトーラスと同調しています。

 また勾玉は、私のイメージでは超高速で回転するトーラスです。例えば、太極図では陰陽2つの勾玉が組み合わさって1つの円を成しているように、目に見える物質としての勾玉(陽)とまったく同じかたちをした、目に見えない非物質の勾玉(陰)があると想定し、それらが組み合わさって高速回転している感じです。

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左:トーラス(掲載元:https://lucasschwartz.com/physics/dual-torus-gif/)、右:太極図


 また、以下の画像は『キャスト・マーブル』というパズルなのですが、このパズルのピースこそが究極の勾玉のかたちだと、私は考えています。このパズルで遊んでいると、勾玉が回転するトーラスであることが、イメージではなく実感を伴って分かります。1,000円前後の値段で買えますし、大変素晴らしいパズルですので、ご興味のある方はお試しください。

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掲載元:HANAYAMA

 

3.ヤサカニの意味

 ところで、「ヤサカニノマカルタマ」の「ヤサカニ」とはどういう意味でしょうか? ウィキペディアでは次のように説明されています。

 「さか」は通常は「しゃく」(尺)の転訛だが、この場合は上代の長さの単位の咫(あた)のことである。8尺は(当時の尺は今より短いため)約180cm、8咫は約140cmである。この長さは、玉の周とも、尾を含めた長さであるとも、結わえてある緒の長さであるとも言う。

 また、「八尺」は単に大きい(あるいは長い)という意味であるとも、「弥栄」(いやさか)が転じたものとする説もある。

 「瓊」は赤色の玉のことであり、これは瑪瑙(メノウ)のことであるともされる。

 私の考えでは、「ヤサカ」はウィキペディアにもあるように「イヤサカ」のことで、ますます栄えるという意味です。また、「ニ」は「ニココロ」、すなわち慈愛のこころだと解釈しています。

 同時に「丹(に)」の色(朱色)でもあり、太陽を指し示していると思います。偶然かもしれませんが、「ニ」のヲシテ文字と「丹」の漢字は何となく似ています。

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<2022.1.30追記>

 ふと思いつきましたが、トーラスの中に「ト」のヲシテ文字の形そのものが現れてますね。

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トーラスと「ト」のヲシテ文字

 

文責:与左衛門、協力:角大師

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