縄文の神聖幾何学

「ホツマツタヱ」「ミカサフミ」「フトマニ」に秘められた神聖幾何学の叡智を探る。

ヲシテ文献から読み解く「生命の樹」の本当のかたち(その1)

1. カバラの「生命の樹

 池田満先生の著作『よみがえる縄文時代イサナギ・イサナミのこころ』に掲載されているヲシテ文献ミカサフミ ワカウタのアヤ」のある一節を読んでいて、ふと、これはカバラの「生命の樹」のことではないか、と直感しました。

 古代ユダヤ神秘主義思想、カバラ。そして、その思想を象徴的に表した図形が「生命の樹」です。

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 私はカバラの思想のことをよく知らないので、ウィキペディアから引用すると、

 カバラでは世界の創造を神「アイン・ソフ」からの聖性の10段階にわたる流出の過程と考え、その聖性の最終的な形がこの物質世界であると解釈をする。

 この過程は10個の「球」(セフィラ)と22本の「小径」(パス)から構成される生命の樹(セフィロト)と呼ばれる象徴図で示され、その部分部分に神の属性が反映されている。

 ということです。

 

2.2つの立体図形

 さて、「生命の樹」をよく見ると、2つの立体図形が埋め込まれていることが分かります。すなわち、正四面体と正八面体です。

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gif画像の掲載元:Wikipedia


 そこで、ゾムツールを使って正四面体と正八面体を作り、その2つを繋ぎ合せてみました。そして、「生命の樹」と見比べてみたところ、ほぼ同一であることが確認できました。

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  しかし、破線の部分が一致しません。その部分を棒で繋げれば「生命の樹」と同一になるのですが、それはあくまで正面から見た場合だけで、それ以外の角度から見ると同一にはなりません。よって、これは正解ではないでしょう。

 では、どうすればよいのか。何が足りていないのか。

 

3.隠されたセフィラ

 1週間ほど考えて、やっとその答えが分かりました。謎を解くカギは「隠されたセフィラ(球)」にありました。

 「生命の樹」には10個のセフィラのほかに、もうひとつ「ダアト」と呼ばれる隠されたセフィラがあります。それを「生命の樹」に書き加えると(下図の点線の赤丸の部分)、3つ目の立体図形が浮かび上がってきました。それは正六面体(立方体)です。

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gif画像の掲載元:Wikipedia

 

4.「生命の樹」の本当のかたち

 早速ゾムツールを使って正六面体を付け加えてみようとしたのですが、簡単そうに見えて、これがうまくいかないのです。1週間ほどこのパズルに取り組んだ末、協力者の角大師さんの「これは不可能物体やんな」という言葉がヒントとなって、ようやく答えが分かりました。それが以下の形です。

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立体ツリー・オブ・ライフ

 コロンブスの卵のように、答えが分かってしまえば「なんだ、そうか」と拍子抜けするくらいシンプルな形です。

 しかし、私はこの立体こそが「生命の樹」の本当の形であると確信しています。それは、これらの3つの立体はただの立体ではなく、いわゆるプラトン立体と呼ばれる神聖幾何学の基本ともいうべき形だからです。そして、この聖なる樹はやがて花を咲かせ、果実をつけるのです。

 おそらく古代ユダヤのカバリストたちは、このシンプルな立体の「生命の樹」の重要性をよく知っており、それを秘密裏に伝承するため、意図的に「ダアト」のセフィラを隠したのではないでしょうか

 ところで冒頭に書きましたように、私が上記のことに気がついたのは、縄文時代のヲシテ文字で書かれた「ミカサフミ ワカウタのアヤ」のある一節を読んでのことでした。次回、その詳細をご報告します。

 

 

文責:与左衛門、協力:角大師

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