縄文の神聖幾何学

「ホツマツタヱ」「ミカサフミ」「フトマニ」に秘められた神聖幾何学の叡智を探る。

ヲシテ文献に記された融合意識(キリスト意識)に至る方法とは?

1. ミカサフミ

 縄文時代のヲシテ文字で書かれた『ミカサフミ ワカウタのアヤ』に、つぎのような一節があります。

タマキノツクル オシヱクサ (タマキの作る 教えぐさ)
アマカミマネク ミハシラキ (アマカミ招く 御柱木)
ニココロウツス ウツワモノ (ニココロうつす 器物)

 「タマキ」とは、トヨケ(豊受大神)の諱(いみな、本名のこと)です。タマキネともいいます。「オシヱクサ」は、教えの品々という意味です。そして、タマキの作った教えの品々とは、フトマニ図のことを指しています。

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フトマニ

 また、「アマカミ」は古代の天皇の称号で、「ミハシラキ」は御柱木です。そして、アマカミ招く御柱木とは、アマカミの神霊を降ろす柱という意味です。古来、神さまは柱に宿ると考えられており、私たちが今、神さまの数を1柱、2柱と数えるのもそのためです。

 そして、その柱というのは「ニ」の心をあらわす器だということです。

 では、「ニ」の心とは何でしょうか?

 『ほつまつたゑ 解説ガイド』のホームページによると、「に(和)+こころ(心)」、「陰陽の和合、調和の本質、攻め(陽)と受け(陰)の関係」、「和(やわ)しの心、(神と)調和しようとする心」とあります。また、ヲシテ文献研究の第一人者である池田満先生は、「固めて良くする及ぼしゆく事に来る精神、何かを足す精神、自立の精神」と説明されています。

 まとめると、「ニ」の心とは、たんに陰陽和合や調和している状態を表すのではなく、明確な意思をもって陰陽和合や調和へと至る(至った)精神だといえそうです。

2. 第2意識レベル(現在の私たちの意識)

 話は変わりますが、ドランヴァロ・メルキゼデク著『フラワー・オブ・ライフ』によると、地球には5つの異なった人間の意識レベルが存在するそうです。

 第1意識レベルは原初的なもので、第2意識レベルが現在の私たちの意識、そしてこれから私たちが移行しようとしている第3レベルが「融合意識」あるいは「キリスト意識」です。あと2つは、現在のところ私たちの手の届かないところにあります。

 ここでいう意識レベルというのは、テレビに例えると、放送局によって異なる周波数の電波網のようなイメージです。私たちは第2意識レベルという周波数にチャンネルをあわせて、みんなでその番組を見ているのです。それが私たちの知覚している“現実の世界”です。

 そして、それぞれの意識レベルは特有の幾何学構造を持っていて、地球全体をグリッド状(網目状の構造)に包み込んでいます。

 第2意識レベルはベクトル平衡体のかたちをしています。ベクトル平衡体は立方八面体とも呼ばれるように、立方体(正六面体)と正八面体の中間のような立体です。立方体の8つの角を切り落とすとベクトル平衡体になります。あるいは、正八面体の6つの角を切り落としてもベクトル平衡体になります。

 また、正八面体を真っ二つに切り分けると2つのピラミッドになるのですが、ベクトル平衡体というのは、このピラミッド6個と正四面体8個をぴったり貼り合せたかたちでもあります。

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ベクトル平衡体

 何が言いたいかというと、ベクトル平衡体のかたちをした第2意識レベルのグリッドは、正四面体・正六面体・正八面体の性質を持っており、以下の図のとおり、男性的要素が強いということです。

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掲載元:『フラワー・オブ・ライフ 第1巻』

 ドランヴァロが言うには、男性的要素が強く非調和的な第2意識レベルは、周囲にあるものを手当たりしだい破壊してしまい、やがて地球環境や自分たち自身も滅ぼしてしまうため、長く居座らずに、できるだけ早く調和的な第3意識レベルに移行する必要がある、ということです。

3. 第3意識レベル(融合意識、キリスト意識)

 第3意識レベルのグリッドのかたちは、『フラワー・オブ・ライフ』では星冠正十二面体として説明されています。これは、実は私の前回・前々回のブログでご紹介した菱形三十面体と同じものです。

 以下の図のとおり、菱形三十面体というのは、男性的要素をもつ正四面体・正六面体と、女性的要素をもつ正十二面体・正二十面体のどちらも内包するかたちです。菱形三十面体のかたちのグリッドをもつ第3意識レベルが調和の取れた「融合意識」だというのは、このことからも納得できます。

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菱形三十面体に内接する正四面体(左)と正六面体(右)
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菱形三十面体に内接する正十二面体(左)と正二十面体(右)

4. ニココロ

 さて、話を戻します。お察しのとおり、『ワカウタのアヤ』に書かれた「ニ」の心とは、これから私たちが移行しようとしている第3レベルの「融合意識(キリスト意識)」のことではないか、というのが私の考えです。

 冒頭に載せた『ワカウタのアヤ』に出てくる「ミハシラキ」について、以前の記事『ヲシテ文献から読み解く「生命の樹」の本当のかたち(その2)』で、それは「生命の樹」のことではないかと書き、そこから導き出した「生命の樹」の立体模型をご紹介しました。そして、左下の画像は「生命の樹」とそれを内包する菱形三十面体の立体模型です。あるいは、平面図にすると右下の画像のように表せるかもしれません。

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 そして、これが「アマカミ招く御柱木 ニココロうつす器物」の寓意することではないか、と私は考えています。

5. アワ歌を歌おう

 それでは、私たちはどのようにすれば第3意識レベルのグリッドに繋がることができるのでしょうか。『ワカウタのアヤ』にその方法が書かれていますので、そのまま掲載します。

アワノウタ         (アワの歌)
ワレモウタエハ モロヒトノ (われも歌えば 諸人の)
ニヲウマントテ フタソメテ (「ニ」を生まんとて 札染めて)
サトシオシエン ニノミチモ (諭し教えん 「ニ」の道も)
トハネハクモル ヒルコカミ (問わねば曇る ヒルコカミ)
トキニアマテル ミコトノリ (ときにアマテル 詔)
ムカシフタカミ アワウタオ (昔、二神 アワ歌を)
ヒコトニウタヒ ヤオヨロカ (日ごとに歌い 八百万日)
オコナヒヰタル コノスエニ (おこない至る この末に)
ワレウケツキテ ムスフテニ (われ受け継ぎて 結ぶ手に)
アサコトウタフ ヰクトセカ (朝ごと歌う 幾年か)
イマタカカサス コノオシテ (いまだ欠かさず このオシテ(教え))
タマキノツクル オシヱクサ (タマキの作る 教えぐさ)
アマカミマネク ミハシラキ (アマカミ招く 御柱木)
ニココロウツス ウツワモノ (ニココロうつす 器物)

 意訳すると、つぎのようなことです。

 イサナギ・イサナミの長女ヒルコカミ(ワカヒメ)は、「私もアワ歌を歌います。そして、民衆にも「ニ」の心を育んでもらうために、アワ歌を札に染めて教え諭したいと思います。「ニ」の道も求めなければ曇ってしまいます。」といった。

 それに対して、弟のアマテルはつぎのように仰せになった。「昔、イサナギ・イサナミの二神は、アワ歌を日ごとにお歌いになられた。ヤオヨロ(八百万)の日々に及んだろうか。これを私も受け継ぎ、朝ごとに印を組んで歌いつづけて何年にもなるが、いまだ欠くさずこの教えを守り続けている。」

 この教えとは、タマキ(トヨケ、豊受大神)の作ったフトマニ図(アワ歌48音と特殊文字3音)を指す。そして、それはアマカミ(古代天皇)の神霊を降ろす御柱木で、「ニ」の心をうつす器である。

 

 つまり、毎日欠かさず何年もアワ歌を歌いつづければ、第3レベルの「融合意識(キリスト意識)」に至る、ということですので、みなさんもぜひお試しください。なぜそうなるのか、などと頭を働かせず、ただただ楽しんで歌うのがよいのではないかと思います。

 

<2022年8月27日追記>
 第2意識レベルのグリッドの形について、ドランヴァロの『マヤン・ウロボロス』を読むと、それは菱形三十面体で、正二十面体と正十二面体がきわめて特殊な関係で結びついたものだ、と述べています。一方、『フラワー・オブ・ライフ第1巻』の中では、三角形と四角形をベースとした男性的要素の強いグリッドだと、また、『フラワー・オブ・ライフ第2巻』の中では、それはベクトル平衡体だと述べています。前者と後者でまったく異なることに戸惑いますが、前後の文脈から判断して、後者のほうが正しいように思います。

 

文責:与左衛門、協力:角大師

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