縄文の神聖幾何学

「ホツマツタヱ」「ミカサフミ」「フトマニ」に秘められた神聖幾何学の叡智を探る。

消された女神、ワカヒメの復活

1. 霊性錬金術

 前回、『ミカサフミ』や『ホツマツタヱ』と錬金術のことを書きました。私はこれまで、錬金術というのは、鉛を金に変えるだとか、うまい方法で大儲けするだとか、インチキめいた怪しげな印象を持っていました。しかし、ドランヴァロ・メルキゼデク著『フラワー・オブ・ライフ第1巻』の以下の文章を読んで、決してそれだけが目的ではなく、霊性を高めることも含まれることを知りました。

 あるとき、二人の天使は私をカナダ人錬金術のところへ向かわせました。この人は他にもいろいろなことをしていましたが、実際に水銀を金に変えていた人でした(鉛からもできるのですが、製法がもっと難しくなります)。彼のもとで2年間錬金術を学んでいる間に、実際にその様子をつぶさにこの目で見ることができました。彼は、液体の入った直径50センチ弱くらいのガラスの玉を持っていて、この液体の中を水銀の泡が上昇していくのです。それらは一連の蛍光色を通過し、変化しながら一番上までのぼっていき、個体の小さな金の球に転換されると底に沈んでいきます。そして彼は自分のスピリチュアルな研究に使うために、これらの小さな純金の塊を集めるのです。この人はブリティッシュコロンビア州のバーナビーで、どこにでもよくあるような通りに普通の小さな家を構えていました。もしあなたが車でその通りを走ったとしても、そこは他の家と同じで何の変哲もないように見えることでしょう。しかし、この家の地下には秘密の研究所があったのです。何百万ドル分にも相当する金を創り出して地下を掘り下げ、電子バランサーから何から、自分の研究に必要な設備をもつ広大な総合施設を建設していました。お金にはまったく無頓着な人でした。もちろん錬金術の目的は金を創ったり売ったりすることではなく、いかにして水銀や鉛が金に変化するかというプロセスを理解することでした。
 プロセスが大切なのです。なぜなら、水銀から金に至るプロセスは、この人間としてのレベルにある意識がキリスト意識に変わるプロセスと同じことを示しているからです。そこにある相関関係はぴったり呼応します。

 このあと、ドランヴァロがこの錬金術師の先生の前に座って瞑想していると、先生の姿がもやもやしてきて、目の前から完全にかき消えてしまい、しかも、今度は打って変わってまったくの別人が姿を現す、という驚愕の展開を見せるのですが、話が長くなるのでここまでにしておきます。

2. 目覚めの周期

 話は変わりますが、地球は1日1回転し(自転)、また太陽のまわりを365日かけて一巡りします(公転)。また、地球の自転軸(地軸)は公転面に対して約23.4度傾いているのですが、この地軸もまたゆっくり輪を描くようにして回っています。これを歳差運動といいます。

 コマ回しをして遊んだことのある方は分かると思いますが、コマは軸を中心として高速回転すると同時に、軸もゆっくり首を振るように回ります。それと同じで、地球の軸もゆっくりと回っており、一周するのに約2万6千年かかることが知られています。

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掲載元:国立天文台HP

 ドランヴァロが言うには、私たちが夜になると眠りにつき、朝になると目覚めるのと同じように、地軸の傾きが銀河の中心方向から遠ざかっていく期間、人類の意識は約1万3千年の眠りにつき、また、地軸の傾きが向きを変えて銀河の中心へと向かっていく期間、人類の意識は目覚めるのだそうです。そして、今のこの時期は、目覚めの周期に入ったあたりだということです。

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掲載元:『フラワー・オブ・ライフ第1巻』

3. 『ミカサフミ ワカウタのアヤ』の発見

 以前、『ヲシテ文献に記された融合意識(キリスト意識)に至る方法とは?』の記事に書きましたが、ドランヴァロが言うには、私たちは今、男性的要素が強く非調和的な第2意識レベルにあり、地球環境や自分たち自身を滅ぼしてしまわないうちに、できるだけ早く調和的な第3意識レベルに移行する必要がある、とのことです。

 私の解釈では、ドランヴァロのいう「第3意識レベル」「融合意識」「キリスト意識」と『ミカサフミ ワカウタのアヤ』に書かれた「ニココロ」は同じものです。そして、『ミカサフミ ワカウタのアヤ』をはじめとするヲシテ文献には、神聖幾何学の叡智や第3意識レベルに移行するための叡智が秘められています。

 私はこれまでブログの中で『ミカサフミ ワカウタのアヤ』のことをたびたび取り上げてきました。このアヤの存在は、ヲシテ研究の第一人者である池田満先生の著書『よみがえる縄文時代 イサナギ・イサナミのこころ』や、SUMIKO!さん・アマノコトネさん・宮崎貞行さんによる共著『ワカヒメさまの「超」復活』を読んで知りました。

 江戸時代中期の記録によると、『ミカサフミ』は全部で64アヤから成ります。これまで、そのうちの8つの写本が確認されています。そして、9つ目のアヤの写本が、なんと平成の世になって発見されたのです! それが『ワカウタのアヤ』です。2012年11月、SUMIKO!さん・アマノコトネさん・宮崎貞行さんの3名が河口浅間神社御師の家の屋根裏部屋で見つけたのだそうです。

 ちなみに、河口浅間神社は私のお気に入りの神社です。樹齢1200年を超える七本杉。樹齢800年の超える参道の杉並木。境内にこんなに多くの巨木がそびえ立っている神社は珍しいのではないでしょうか。すばらしい氣に満ちあふれたパワースポットです。

 相棒の角大師さんとこれまで何度も訪れていますが、いちばん初めに訪れたのが2012年8月27日です。そのときには、神社のすぐ近くに御師の家があるなんて全く気がつきませんでした。ましてや、その3か月後に、そこで『ワカウタのアヤ』の写本が発見されたなんて。

 先ほど歳差運動との関連で、今、人類は目覚めの周期に入ったと書きました。また、マヤ歴によると、2012年12月21日から人類の新たなサイクルが始まったといいます。その直前の11月に『ワカウタのアヤ』が発見されたのは、偶然とは思えません。

 『ワカウタのアヤ』の主人公の名はワカヒメ。イサナギ・イサナミの長女で、アマテルの姉にあたり、弟のアマテルも頼りにしていたほどで、『ホツマツタヱ』『ミカサフミ』にはその功績の数々が記されています。しかし、“正史”とされる『古事記』『日本書紀』では、男性神のアマテルが女神に変更されるとともに、ワカヒメは不具の蛭子にされ、その存在は消されてしまいました。

 繰り返しになりますが、今の私たちは、男性的要素が強く非調和的な第2意識レベルにあります。地球環境や自分たち自身を滅ぼしてしまわないうちに、できるだけ早く男性性と女性性の調和した第3意識レベルへと移行する必要があります。それを手助けするために、大いなる女神ワカヒメが今この時代に復活したのではないでしょうか。私にはそう思えます。

 

<追記>

 『ワカウタのアヤ』の写本が発見された河口浅間神社御師の家は、宿泊することができます。『ワカウタのアヤ』の重要性に気がついた私と角大師さんは、2020年3月20~21日に泊まりに行きました。夕食後、家主の本庄さんからいろいろお話を伺ったり、貴重な古文書を見せていただけました。翌朝、ワカヒメ様に感謝の意を捧げるため、写本が発見された母屋でご祈祷を受けました。河口浅間神社や『ワカウタのアヤ』にご興味のある方は、一度訪ねてみてはいかがでしょうか。

 

文責:与左衛門、共同研究者:角大師

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