縄文の神聖幾何学

「ホツマツタヱ」「ミカサフミ」「フトマニ」に秘められた神聖幾何学の叡智を探る。

ニココロを育む

1.    並木良和さんの統合ワーク

 最近、オクタヒドロン(正八面体)のかたちが気になっていて、ネットで検索すると、並木良和さんの統合ワークの記事や動画が数多くヒットします。並木さんはスピリチュアル界隈では有名な方ですので、私もお名前だけは存じ上げています。

 統合ワークって何だろう、オクタヒドロンとどう関係するのだろうと思って、いくつかの記事を読んだり動画を見てみました。それは、怖れや不安などネガティブな感情が起こったときに、それを鉄の塊だとイメージして、強力な磁石である自分の掌を胸に当てて、それをぐっと取り出し、オクタヒドロンのかたちに変えて手放す、といったやり方のようです。

 そして、このオクタヒドロンのかたちが非常に重要で、2極を統合する、2極のバランスを取る、という意味を持っているのだそうです。

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正八面体(掲載元:ウィキベディア)

2.    第4密度のかたち

 以前、プレアデス人のサーシャをチャネリングするリサ・ロイヤルさんのワークショップに参加したことがあります。サーシャは、エネルギーの周波数帯を7段階に分け、その段階ごとに意識レベルというものがあり、そして、それぞれに対応するかたちがあるのだと教えてくれました。具体的には以下のとおりです。

  • 第1密度:点の意識。鉱物や水。正四面体。
  • 第2密度:線の意識。動植物。正六面体。
  • 第3密度:立体的な意識。自我。現在の人類。星型二重正四面体(マカバ)。
  • 第4密度:立体的な意識。超意識。自我の保持と集団意識の両立。正八面体。
  • 第5密度:集団意識としての自己の認識。直線的な時間からの解放。正二十面体。
  • 第6密度:次元そのものとしての意識。キリスト意識。星型正二十面体。
  • 第7密度:多次元的な経験の認識。星型正十二面体。

 サーシャが言うには、現在の人類は第3密度から第4密度に移行しつつあり、2極の統合を学ぶ段階に来ているのだそうです。

 このことは、第3密度の星型二重正四面体と第4密度のオクタヒドロンのかたちを見ても分かります。星型二重正四面体は2つの上下反対の正四面体が重なり合ったかたちをしています。この2つの正四面体は、陰と陽あるいは男性性と女性性といった2つの極性を表しています。そして、その2つの正四面体が重なり合って統合している部分のかたち、それがオクタヒドロンです。

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星型二重正四面体(掲載元:polyhedr.com)

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星型二重正四面体の中の正八面体(掲載元:同上)

3.    ニココロ

 ところで、じつはヲシテ文献にも2極の統合を意味する言葉があります。それは「ニココロ」といいます。

 『ほつまつたゑ 解説ガイド』のホームページによると、「に(和)+こころ(心)」、「陰陽の和合、調和の本質、攻め(陽)と受け(陰)の関係」、「和(やわ)しの心、(神と)調和しようとする心」とあります。

 また、ヲシテ文献研究の第一人者である池田満先生は、「固めて良くする及ぼしゆく事に来る精神、何かを足す精神、自立の精神」と説明されています。

 つまり、「ニ」の心とは、たんに陰陽統合や調和している状態を表すのではなく、明確な意思をもって陰陽統合や調和へと至る(至った)精神だといえます。

 そして、ヲシテ文献ミカサフミ ワカウタのアヤ』の後半は、「ニ」がキーワードとなっています。

  • 62~63行目「ヒルコミヤ ニコトヱヒスノ ツツシミテ」(ヒルコ宮(ワカヒメのこと)はニコニコとして謹んで)
  • 128~129行目「モロヒトノ オウマントテ フタソメテ」(諸人の「ニ」の心を生まんとして、札を染めて)
  • 130行目「ニノミチモ トハネハクモル」(「ニ」の道も問わねば曇る)
  • 139~141行目「アマカミマネク ミハシラキ ニココロウツス ウツワモノ」(アマカミ招く御柱木、ニココロ映す器物)
  • 142~143行目「フカキムネアル ソメフタオ マカセタマワル ニフノカミ」(深き旨ある染め札を任せたまわる丹生の神)(註.「丹(ニ)」は水銀と硫黄からなる鉱物で、赤色の顔料や水銀製造の原料)
  • 147~148行目「ワカヒルメ ニフイサオシ ヲヲイナルカナ」(ワカヒルメ(ワカヒメのこと)、丹生の勲、大いなるかな)

 漢字が渡来する以前の日本語(やまとことば)は、一文字一文字が意味を持っていました。そして、「ニ」には上記のように「和合する」、「にこやか」、「丹」といった意味合いがあります。

 

4.    「ニ」のヲシテ文字

 「ニ」はヲシテ文字で以下のように書きます。

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「ニ」のヲシテ文字

 以前、「ヲシテとプラトン立体」の記事で書いたように、あいうえおの5つのヲシテ文字は5つのプラトン立体に対応しています。もっと言えば、私は5つのプラトン立体を象って文字にしたのがヲシテの母音だと考えています。

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ヲシテ文字とプラトン立体

 そこで、「ニ」のヲシテ文字を立体にしてみると、以下のように、母音「イ」(風)に対応するオクタヒドロンの中に6方向の十字が入ったかたちになります。

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「ニ」のヲシテ文字の立体模型


5.    アワ歌を歌おう

 『ワカウタのアヤ』に「ニココロ」の育み方が書かれています。それはアワ歌を歌うことです。

<アワ歌>
アカハナマ イキヒニミウ
フヌムエケ ヘネメオコホノ
モトロソヨ ヲテレセヱツル
スユンチリ シヰタラサヤワ

 「それだけでいいの?」と思いますが、アワ歌を作ったイサナギとイサナミは「日ごとに歌い、やおよろか(八百万日)」と書かれています。また、イサナギとイサナミの息子アマテル(天照)もそれを受け継いで「朝ごと歌う、幾年か、いまだ欠かさずこの教え」と書かれています。ただひたすらに歌い続けると、どういうわけだかニココロが育まれるようです。

 これは縄文流の統合ワークですね!

 じつはアワ歌には深遠な意味が秘められているのですが、そんなことは知らずとも、たんにアワ歌を歌い続ければよいのではないかと思います。

 

6.   ニココロ映す器物

 以前、「ヲシテ文献に記された融合意識(キリスト意識)に至る方法とは?」の記事を書いた時点では、ニココロのかたちは菱形三十面体ではないかと考えていました。しかし、今回、「ニ」のヲシテ文字のかたちからストレートに考えると、むしろ正八面体だと思い至り、改めて記事を書いた次第です。

 そうすると、『ワカウタのアヤ』の「アマカミ招く御柱木、ニココロ映す器物」が示唆するかたちは以下のようになります。

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生命の樹」の中のオクタヒドロン

 

文責:与左衛門、共同研究者:角大師

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