縄文の神聖幾何学

「ホツマツタヱ」「ミカサフミ」「フトマニ」に秘められた神聖幾何学の叡智を探る。

ヲシテ文献に伝わる宇宙の秘密

1.    天地開闢神話

 この宇宙や地球はどのように誕生したのでしょうか。

 縄文のヲシテ文字で書かれた『ホツマツタヱ オノコロとまじなふのアヤ』の中で次のように説明されています。

アメツチノ アホウビイマタ(アメツチの アホ・ウビいまだ)
アメミヲヤ アテオムスビテ(アメミヲヤ ア手を結びて)
フクウツホ キハナクメクリ(吹くウツホ 際なく巡り)
ウヰトウヌ アウヌムスヒテ(ウヰとウヌ ア・ウヌ結びて)
アマツクリ ウヌアマジリテ(天創り ウヌ・ア混じりて)
ウハムスビ ウビオクニタマ(ウハ結び ウビをクニタマ)

 現代語に訳すと、次のような意味になります。

 天と地がいまだ混沌(アホ・ウビ)としているとき、アメミヲヤ神が「ア」のヲシテ文字の手印を結んで、吹いたひと息が「ウヰ」と「ウヌ」の働きで、ウツホとなって際限なく巡った。そして、「ア」と「ウヌ」の手印を結んで天を創った。また、「ウヌ」と「ア」が混じって「ウハ」の手印を結んで、泥(ウビ)を固めて地球を創った。

 なんのこっちゃ、と思われるかもしれませんが、じつはここにはとんでもない宇宙の秘密が語られているのです。

2.    トーラス

 銀河、地球、樹木、人、リンゴなど、大自然のいたるところに共通してみられる磁場のかたちがあります。それは軸を中心に渦を巻いた球体で、「トーラス」(円環体)と呼ばれています。

 トーラスの動的なイメージを把握するために、まずは以下の動画の冒頭3分半をご覧ください。


3.    ヲシテ文献に描かれたトーラス

 以前、『アウワとトーラス』という記事で、ヲシテ文献に出てくるフトマニ図の中心に書かれた3文字「アウワ」は、このトーラスを表したものだと書きました。

 そして、今回ご紹介する『オノコロとまじなふのアヤ』の一節もまた、トーラスを描写しているとしか思えません。しかも、極めて正確な筆致で。実際、トーラスをイメージしながら読むと、難なくすらすらと読み解くことができます。具体的には以下のとおりです(トーラスの画像は上記の映画『スライヴ』から借用)。

 

アメミヲヤ アテオムスビテ

 アメミヲヤ神が「ア」のヲシテ文字(螺旋状に広がるエネルギー)の手印を結んで 

 

フクウツホ キハナクメクリ ウヰトウヌ

 吹いたひと息が「ウヰ」(下降する風の力)と「ウヌ」(上昇する火の力)の働きで、ウツホ(トーラス)となって際限なく巡った。

注1.「ヰ」の母音「イ」は風を意味し、ヲシテ文字の形から、冷えて下に降りる働きを表す。

注2.「ヌ」の母音「ウ」は火を意味し、ヲシテ文字の形から、暖かく上に昇る働きを表す。

注3.「ウヰ」と「ウヌ」の「ウ」の文字はいずれも特殊文字が使われている点がポイントで、目に見えない形而上の宇宙の中心を表す。よって、「ウヰ」は宇宙の中心からもたらされた下降する風の力、「ウヌ」は宇宙の中心からもたらされた上昇する火の力、を表す。

 

アウヌムスヒテ アマツクリ

 「ア」(螺旋状に広がるエネルギー)と「ウヌ」(上昇する火の力)の手印を結んで「アマ」(天)を創った。

注.「アマ」のヲシテ文字がトーラスの上半分の形と同じであることに注目

 

 ウヌアマジリテ

 「ウヌ」(上昇する火の力)によって上に広がる螺旋エネルギー「ア」が、トーラスの表面に沿って下へと向かい、内側に入り込んで、「ウヌ」(上昇する火の力)に交じって

 

ウハムスビ ウビオクニタマ

「ウハ」の手印を結んで、泥(ウビ)を固めて地球を創った。

注1.「ハ」(ワ)は、「ア」と螺旋エネルギーとは逆回りで、中心へと向かって閉じていき、物質化する働き。

注2.ここでの「ウ」は通常の「ウ」の文字が使われているため、目に見える三次元の世界における事象として描かれていることが分かる。

 

 以上、『オノコロとまじなふのアヤ』の天地開闢神話をご紹介しましたが、じつは『ホツマツタヱ』や『ミカサフミ』の別のアヤにも天地開闢神話が記載されています。それも何カ所も(全部で8アヤか?)。思うに、それは遥か昔の単なる神話ではなく、この宇宙の創造に関わるとても重要な教えだからではないでしょうか。

 最後に、ご参考までに現代の科学者たちによる天地開闢の仮説に基づく動画を掲載します。この動画を見てから、『オノコロとまじなふのアヤ』の一節を再読いただくと、さらに理解しやすくなるかと思います。

 

文責:与左衛門、共同研究者:角大師

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