縄文の神聖幾何学

「ホツマツタヱ」「ミカサフミ」「フトマニ」に秘められた神聖幾何学の叡智を探る。

天地とつながるアワ歌瞑想

1.   トートの教え

 神聖幾何学やマカバの第一人者ドランヴァロ・メルキゼデクは、著書『ハートの聖なる空間へ』の中でつぎのようなエピソードを語っています。

 あるとき、ドランヴァロの霊的指導者である古代エジプト智慧の神トートが現れて、ドランヴァロに言いました。

 「人は頭の中で何かをつくり出すとき、マインドという二極性のある道具を使って創造している。そのため、いくら良いものを創造しようと意図しても、常にマインドの二極性ゆえに善と悪の両方を創造してしまうのだ。

 私が勧めたいのは、ハートの聖なる空間だけから創造することだ。なぜならハートは一体であることしか知らず、闇の側面を伴うことなく意図した通りを創造するからだ。」

 ドランヴァロはそれを聞いて目から鱗が落ちたと語っていますが、私もまったく同じく、目から鱗が落ちました。

 例えば、これまで大勢の人々が世界平和を訴えてきましたが、一向に実現しそうにありません。それはもしかすると、コインに表と裏があるように、「平和」という概念は「戦争」という概念の裏返しであり、それらは常に表裏一体として存在しているからかもしれません。

 では、私たちはどうすればこの二極性を超えられるのでしょうか。

 それは、ひとことで言えば、意識をマインド(脳)からハート(心臓)に移すことです。ドランヴァロは同書の中で、その具体的なやり方を説明してくれています。

2.   ユニティ・ブレス瞑想

 また、ドランヴァロが言うには、自分の意識がハートの中に入るにあたって、その前に必ずやらなければならないことがあります。それは、まず母なる地球と、その次に父なる天や太陽と愛でつながることです。世界中の先住民族の人たちが、地球や天とつながることなしにハートに入ろうとするなんてあり得ない、と言っています。

 同書にはその具体的方法として、ユニティ・ブレス瞑想というものが載っています。

3.   トの教えとアワ歌

 この天地融合の教え、じつは日本の先住民である縄文人たちも「トノヲシテ」あるいは「トの教え」と呼び、クニの理念として掲げるほど尊んだことがホツマツタヱに記されています。

 また、イサナギ・イサナミが作った「アワ歌」も、「ア」は天、「ワ」は地を意味し、じつは母なる地球や父なる天や太陽とつながるための歌です。

 『カクのミハタ アワウタのアヤ』の中で、イサナギ・イサナミの長女ワカヒメがアワ歌の意味を説明してくれています。

 私はそれを読んで、ああ、これはユニティ・ブレス瞑想と同じだ、と直感しました。

 イサナギ・イサナミはカダガキ(三弦琴)やイスコト(五弦琴)を弾きながらアワ歌を歌い、民に教え広めましたが、それだけでなく、アワ歌をひとり静かに唱えて天地とつながる、といったことをしていたのかもしれません。

4.   アワ歌瞑想

 ワカヒメさまによるアワ歌の解説をもとに、角大師さんの協力を得て、瞑想用にアレンジしたものをご紹介します。私自身も実践していますが、かなり良い感じです。ぜひお試しください。

 

あなたは今、とても美しいビーチにいます。

アカハナマ
太陽がきらきらと輝いて、父親のように私たちを暖かく見守ってくれています。

イキヒニミウ
清々しい風を身体いっぱい吸い込みましょう。
ゆったりと呼吸を繰り返しているうちに、だんだんと心が落ち着いてきます。

フヌムエケ
ぽかぽかとして、とても心地のよい暖かさです。

ヘメネオコホノ
海のほうへ歩いていって、穏やかな波に手足を浸してみましょう。
すると、身体の内側から清らかになっていきます。

モトロソヨ
あなたの身体はすっかり新しく生まれ変わりました。

ヲテレセヱツル
砂浜に戻って、大の字になって寝転んで、母なる大地に身を委ねてみましょう。

スユンチリ
母なる地球は、いつもあなたのことを祝福してくれています。

シヰタラサヤワ
あなたの肉体は母なる地球の愛を受け入れて、地球とひとつになります。
そして、ほんとうのあなたが目覚めます。

5.   タマシヰの故郷とつながる

 ヲシテ文献によると、縄文人は魂を「タマ」と「シヰ」に区別していました。

 タマとは、良心や真心(ココロバ)、他人を思いやる心や哀れを知る心や情けを思う心(ミヤビ)、人の意識そのもの(タマ)といったもので、これらは宇宙の源からもたらされるものです。一方、シヰとは、生命維持の欲求(シヰ)、外に及ぼす欲求(シム)といったもので、これらは地球からもたらされるものです。

 そして、このタマとシヰが「タマノヲ」(玉の緒)によって結ばれることで、人はこの世に生を受けます。また、一生を終えたとき、タマノヲがほどけて、タマは天に、シヰは地に還ります。

 アワ歌を瞑想に活用することで、自分のタマシヰの故郷である天地とのつながりを思い出すことができます。

 

 ところで、ドランヴァロは、ユニティ・ブレス瞑想を極めると、神があなたの外にも内にも、いたるところに存在していると分かるようになると言っています。そして、じつはそのことも前述の『カクのミハタ アワウタのアヤ』に書かれています。だとすれば、アワ歌瞑想でもそうした境地に至ることができる、ということです。これについては、また次回に書きたいと思います。

<追記>

 ユニティ・ブレス瞑想やハートの聖なる空間への入り方は、ドランヴァロが主宰するスクール・オブ・リメンバリングの公認ティーチャーである横河サラさんから学ぶことができます。私と角大師さんもサラさんから教わりました。ご興味のある方は以下のサイトをご参照ください。

文責:与左衛門、共同研究者:角大師

ご意見・ご感想をコメントいただけると幸甚です。お待ちしております。