縄文の神聖幾何学

「ホツマツタヱ」「ミカサフミ」「フトマニ」に秘められた神聖幾何学の叡智を探る。

生命の樹に咲く黄金の花

1. フィボナッチ数列

 唐突ですが、クイズです。以下の「?」に当てはまる数字は何でしょうか?

0,1,1,2,3,5,8,13,21,「?」,55・・・

 これらの数はあるシンプルな法則に基づいています。しかし、その法則は生き物の成長、また自然界や大宇宙の現象にとても深く関係しています。木の枝の生え方や花びらの付き方は一見ランダムなようでいて、じつは上記の数の法則に従っています。また、人の手足や顔の目鼻立ちの寸法、波や台風、銀河などにもこの数の法則は見られます。

  この数列はイタリアの数学者の名前にちなんで「フィボナッチ数列」と呼ばれています。詳しい説明は省略しますので、以下の動画でイメージとして捉えていただければと思います。


2. 黄金比と黄金角

 上の動画の中でつぎのように黄金比(約1.618)と黄金角(約137.5°)に関する説明図が出てきます。

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左図:黄金比、右図:黄金角(Nature by Numbersより引用)

 数学的な小難しい話は抜きにして、黄金比黄金角というのは要するに、フラクタル構造スパイラル構造を生み出す比率と角度のことです。ただし、上の図の黄金角「137.5°」はあくまで平面における角度です。

 では、立体における黄金角とは何度なのか。ネット上でそのことに関する情報を見たことがないので、あくまで私の考えに過ぎませんが、それは「約116.6°」です。この角度は、2つの対角線の長さが黄金比になっている菱形の鈍角にあたるものです。この角度を言い表す言葉が存在しないので、とりあえず「立体黄金角」と呼んでおきます。

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3. トーラス

 さて、以下の模型をご覧ください。空間上の1点から立体黄金角の角度と黄金比の比率で上向きに直線を伸ばしていくと、立体的なスパイラルが生まれます。

 つぎに、ある地点で立体黄金角の向きを反転して下降することで、スパイラルしながら「菱形三十面体」と呼ばれる立体を形づくります。この立体は、2本の対角線の長さが黄金比である30個の菱形からできていて、いわば黄金比の塊です。

 そして、ある地点で立体黄金角の向きをまた反転し、黄金比の比率で上昇していくにつれてスパイラルは閉じていき、最後に、初めの空間の1点に帰ります。

 上記の動きを無限ループ的にくり返すことで形づくられるエネルギー構造、それがいわゆる「トーラス」です。トーラスはなぜ円環状の形態を成すのか。その答えは黄金比と立体黄金角にあるといえます。

 これを研究すると、何だかフリーエネルギー装置が作れそうな気がします。といっても、不器用で機械音痴の私には到底無理ですが(笑)。

 

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左:菱形三十面体(渦の柱を横から見た写真)、中央:菱形三十面体(渦を上から見た写真)、右:トーラス

4. 黄金の生命の花

 ところで、前回の記事ではもうひとつの「生命の樹」として、菱形十二面体が寄せ集まった形を紹介し、それが「フラワー・オブ・ライフ」の骨格であると説明しました。その菱形十二面体のひとつひとつの中に咲く花、それが上記の菱形三十面体あるいはトーラスです。

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菱形十二面体の中の菱形三十面体

 この菱形三十面体という立体がまた大変興味深くて、ヲシテ文献フトマニ図とも関係してくるのですが、それはまた改めて書くことにします。

 ちなみに余談ですが、映画『スライヴ』の中で、トーラスが超高速で回転するのを支えるために、車輪のスポークにあたる役割を果たす「ベクトル平衡体」と呼ばれる構造があると説明されています。このベクトル平衡体は菱形十二面体と双子の関係にあります(数学用語で「双対関係」といいます)。菱形十二面体の各面の中心を結んでできる形、それがベクトル平衡体です。

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菱形十二面体の中のベクトル平衡体

 

文責:与左衛門、協力:角大師

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